夏川夕の作家生活

歴史と異文化をテーマに小説を書いています。出版賞に挑戦中。

エンターテインメント小説ってなあに? 公募用小説の悩み

こんにちは。

夏川夕です。

 

ブログお休み宣言中ですが、ちょっと考えたことがあり、書いておこうと思って戻ってきました。

ずばり、エンターテインメント小説の定義って、何でしょうか?

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私は今、公募用の小説を書いています。公募用に、ということは、応募する賞の募集要項に沿っていないと当然ダメなわけです。ところが募集要項って、どこの出版社も、枚数や体裁はかなりきっちり定められているのですが、ジャンルの方はわりにざっくりしているのです。「推理小説」とか「歴史小説」などといった、ジャンルを特定した賞でなければ、「エンターテインメント小説」という言葉が一番よく使われているように思います。

今月末に応募締め切りとなっている、「小説すばる新人賞」も「エンターテインメント小説」を募集しています。「ジャンル不問」とはありますが、これは「エンターテインメント小説」の範囲の中で、「恋愛小説」でも「ファンタジー小説」でもいいよ、という意味に私は解釈しています。

この「エンターテインメント小説」の範疇に、どうも私が今書いている小説は含まれないのではないかと、ここ数週間、私はずっと悩んでいました。

私が今書いている小説は、太平洋戦争を舞台にした青春ものです。帝国主義の中で育った青年の、戦争の中でもきらめく若さと成長、挫折といったものがテーマです。私は楽しんで書いていますが、しかしこれってエンタメでしょうか? 「面白い」かもしれないけれど、エンタメではないような。考えれば考えるほど、なんだかぼんやり、違う気がしてならなかったのです。

 

ものごとの定義をするときには、その反対は何かを考えてみるといいそうです。

「エンターテインメント小説」の反対って何でしょう? 我が家の本棚で、考えてみました。

 

シャーロック・ホームズの冒険』→エンタメ小説

『氷点』→何か違う

火星のプリンセス』→エンタメ小説

痴人の愛』→エンタメ小説?

『斜陽』→何か違う

秒速5センチメートル』→何か違う

平家物語』→エンタメ小説

あしながおじさん』→エンタメ小説

 

 

人によって解釈は異なるだろうなあとは思いますが、私はこんなふうに感じています。

「エンタメ小説」と断じられるものと、「何か違う」もの、この2つの違いは何でしょう。一晩考えて、次のようなことではないかと思い当たりました。

つまり、「エンタメ小説」は、物語の起伏やキャラクターの魅力によって、読者を楽しませることを第一義に置いている小説であり、翻って「何か違う」ものは、作者が書きたいテーマを軸に物語を構成し、読者がそれを楽しむかどうかは相性に任せている、いわば「テーマ小説」とでもラベリングできるものなのではないでしょうか。

もちろん、「エンタメ小説」と「テーマ小説」は共存できるカテゴリですし、そういうお話も世の中には溢れています。当然、そのどちらにも属さない小説もあるでしょう。

しかし、私が書いている太平洋戦争ものは、物語の起伏に重きを置くものではなく、どちらかといえば淡々と戦争が経過する中での、楽しみや挫折を描こうと思っているものです。つまり「テーマ小説」であり、「エンタメ小説」ではありません。と、断言できてしまえます。

引っかかっていたのはこういうことだったのです。ああすっきりした。

 

「エンターテインメント小説」とは、とずいぶん長く悩んでいましたが、反対語が「テーマ小説」である、と思い決めてからは、かなり楽になりました。この考え方、いろんな出版賞に応用できそうです。せっかく応募するのであれば、少しでも相性が合う賞(ちょっと洒落っぽくないですか?)に提出したいですものね。

小説すばる新人賞」については、「エンタメ小説」でない、と自ら断じたものを、「エンターテインメント小説」を募集している賞には提出できません。土壇場ながら、太平洋戦争ものは別の賞に応募することに決め、「小説すばる新人賞」の方は、去年書き上げた伝奇ものを、鬼推敲して応募することにしました。こちらは「エンタメ小説」だと断言できます。

そんなわけで、公募生活は2か月ほど延びる見込みです。引き続き、頑張ります!

 

 

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